スマホゲーの稼ぎとオート操作について考える。

 以前少しだけ名前を上げた「武器よさらば」に触れてみました。世紀末感と男臭さに溢れたストーリーで雰囲気がよく、その上戦闘システムも横持ちの見下ろしアクションゲームに無双ゲーのようなエッセンスを上手いこと取り入れてて面白く出来てると思います。ただ、1点だけ気になったのはレベル上げのためにかなりの時間を割いて素材集めをしないといけないのですが、それを全て自分で操作して集めないといけないのは面倒臭いなぁと思いました。

 

 というかそういう稼ぎというのは果たして必要なのかというのはよく考えてみれば割りと疑問が残るところだと思います。自分でやりたくないならなくせばいいじゃんというのが普通だと思いますし。というわけでちょっと自分なりに考えてみました。

 

 そもそも稼ぐという行為はファミコン世代には既に存在していて、ドラクエではレベル上げが、ゼルダではルピー稼ぎが不可欠な存在になっていました。その流れは緩和傾向にはあるものの現在も受け継がれています。その流れで生まれてきたスマホゲーにももちろん存在しますが、その形はやや変わってしまっているのではないかと私は思っています。というのも家庭用ゲームにおける稼ぎというのはあくまで「攻略のための稼ぎ」になっていてそこまで重点が置かれているものではありません。逆にスマホゲーはキャラの強化や進化も1つの重要なコンテンツになっています。

 スマホゲーの大元であるパズドラから現在のスマホゲーにだいたい引き継がれてる要素として曜日クエストとゲリライベントがあります。曜日クエストは進化素材を集めるためでゲリラは強化素材を集めるためのクエストということが多いです。当時は強い話題性や習慣として定着しやすくなると言った部分で話題になっていたのですが、今は自分の好きなタイミングで育成ができないクソ要素でしかないわけです。実際、時限要素が強すぎるゲリラクエストは減少傾向にあります。ただ、これらはあくまでユーザー側の意見でしかないです。運営側の考えを推測するならば、「長い時間育成してもらわないと困るから」そうなっているんだと思います。サービスを長く続けるならば定期的なアップデートが確実に必要になりますが、それはすぐに用意して出せるものではありません。しかし、家庭用のようなゲーム作りではすぐにユーザーに追い越されてしまうという問題が発生します。そこで、強化素材の入手法を限定することで成長を遅らせ、進化素材を分割して期間を開けながらばらまくことで長い時間の足止めをしているという作りになっています。これがスマホゲーにおける恒常的な稼ぎの正体です。

 

 そうなるとスマホゲーから現在の稼ぎ要素を取り除くことは不可能であるというのは覆しようがないです。しかし、面倒臭いものは面倒臭いなので緩和する方法を大抵のゲームは用意しているのです。例えば、アイテムのドロップ量を1時間だけ増量する課金アイテムだとか、条件をクリアして配布されるアイテム報酬(所謂ミッション)だとか。その方法の1つに操作の自動化というのが存在します。自動化が他と違うところはユーザーが直接プレイしないので負担が一番少なく、他のことをしている片手間で済むというところです。しかし、CPUが優秀すぎるともうプレイする必要はないし、弱すぎると使い物にならないしと作る側からするとものすごく大変という問題もあります。なので、RPGなど操作が簡単でやることが単純なゲームはオート操作が搭載されててアクションゲームなど操作が多いゲームだと搭載されていない印象です。今回の武器よさらばのようなアクションゲームだと、サムライライジングには搭載されていたので不可能というわけではないはずですが…。

 個人的な意見としては稼ぎに重点を置いているゲームには絶対入れてほしいです。あとはオート操作にもプレイヤーの個性が反映されるようなシステム、例えばFF12ガンビットみたいなシステムとか発展的な要素が入ってきたら面白いなと思ってます。

 

 総括すると稼ぎはゲームを長く遊ばせるために必要であり、問題はいかにその負担を減らすかというのが大きいのではないでしょうか。緩和する方法は色々ありますが、中でも自動操作はプレイヤー側からするとありがたい機能ではありますが同時に作るのが大変なのでどんなゲームにでも搭載というのは難しいかもしれません。ただ、将来的に拡張の余地がある機能でもあると思うので余裕が有るところには是非挑戦してほしいという話でした。

 ぶっちゃければ手間を省いて色んなゲームをしたいという話なんですけどね。スマホゲー黎明期ならば本数も少ないですから、1つにかける手間が多くても問題はないのですが、現在は数多くのゲームがリリースされておりさらには矢継ぎ早に新作タイトルがリリースされてますので全部が全部時間をかけて遊ぶというのは難しいです。そのような現状を意識してゲームを作るかどうかでまた個性が別れるところになるかなと思います。どちらが正解ということもないでしょうからそれは遊んでからの楽しみということで楽しく遊んでいきたいなと思います。