【感想】今更ゴーストトリックをクリアしまして

   最近、移動中は買い切りのスマホゲーを遊ぶことがマイブームになっています。その中でクリアした作品がとても面白かったので記事にしようと思います。

 その作品が「ゴーストトリック」です。元々はDSで発売された作品でその移植作となります。

 

 ジャンルはアドベンチャーとなっています。死んでしまい、幽霊になった上に記憶を失ってしまった主人公が、現世にいられる一夜の間に記憶を取り戻すために旅に出るというのがあらすじです。

 特徴的なのはストーリーだけではなく、モノに乗り移り、操る力を生かして謎を解いていく本作ならではのゲームシステムもまた特徴的です。

 

 今作の魅力はシステムとストーリーが噛み合うことで唯一無二の体験ができることだと思います。謎を解くシチュエーションは数多く用意されていて、そのどれもがユニークです。特に今作を象徴するものとして、主人公が死体に乗り移るとその乗り移った人が死ぬ4分前に戻るという設定があります。この4分の間に死ぬ原因を回避することができれば、現在を変えることができます。こうして、人知れず人助けをすることで物語を進めるのが本作の主な流れです。この4分間は、ただモノを動かせばいいというものではなく、特定のタイミングで何らかのアクションが起きることがあります。その後の些細な変化を利用することが先に進む鍵になるため、非常に緊張感があります。そして、その緊張感と個性的なキャラクターたちの緩い会話やノリの良いBGMがマッチして、本作ならではの独特の面白さを生み出しています。

 キャラクターや物語は今作において非常に重要です。今作を手がけたのは逆転裁判シリーズで有名な巧舟さんです。逆転裁判の魅力である個性的なキャラクターや謎が謎を呼び、それを見事に回収していく爽快感のある物語は今作でも健在です。一見、ふざけ倒しているキャラクターたちもみんな信念を持って何らかのことに打ち込んでいるというただただコミカルなだけではなく、シリアスな一面を持ち合わせていることが本作の物語をより魅力的にしていると思っています。シリアスな一面を例えるだけでもネタバレになりそうなので何も言えませんが。

 今作ならではの面白さとしては死者として人と関わるため、人に感知されないことが多いです。そのため、何気なく喋っているところを盗み聞きしているような場面が多く、それも非常にコミカルで面白いです。また、ものを操る際は基本的に不自然に動く形になるため、それを見た人には驚かれることが多いです。そのリアクションもまたコミカルになっています。

 BGMも良い曲がとても多いです。ノリの良いテクノ調の曲が多いですが、急かされるような場面、静寂に包まれるような緊張感のある場面、様々な場面に対応した曲が用意されていますが、どの曲も世界観にマッチした一貫性があると思います。メインテーマを乗せておきますのでぜひ聞いてみてください。


Ghost Trick - Main Theme

 

 気になる点としては、配信が始まったのが8年近く前のため、最新機種に対応しきれていないことがあります。一応iPhoneXまでには対応されているようですが、連続して遊んでいると処理落ちが発生することがあります。再起動を行えば、治りますが不便に感じる人もいると思いますので、そちらだけご注意を。

 

 感想は以上になります。ゲーム全体を通して、今作ならではの魅力にあふれていると思います。今だとDSの作品であるため、最新ハードで発売される作品のように高画質ではありませんが、工夫をこらした映像表現や個性的な世界観、全編購入で2,000円弱という価格も相まってインディーズゲームのような楽しみ方ができるのではないかと思います。序盤だけ遊べる体験版もあるので、興味のある方はぜひ遊んでみてください。