「メトロイド サムスリターンズ」を終えて

 ゲームを良く遊ぶという方でもメトロイドというゲームを遊んだことのある人ってかなり少ないと思っています。名前だけは知っているという人の大半はおそらくスマブラで参戦しているサムスというロボットっぽいやつが出演しているゲームの名前というぐらいの印象で、それ以外のゲームの情報というとサムスはロボットではなく金髪巨乳美女であり、メトロイドにはメトロイドというクラゲっぽいやつが出てくる。ぐらいでしょう。

 かくいう私もそれぐらいしか知らない人間でした。ついでに言ってしまえば、サムスはそこまで強くないし服を脱いだほうが強いという偏見もおまけでね。そんなやつがなんで今作を買ったかというと理由は2つありまして1つは友達が買っていて楽しい楽しい言っていたこと。正直、これだけならば少し興味がわく程度ではあるのですが、もう一つがメトロイドシリーズのTAをしている動画を見ていた事。自由度が高くアクションも派手で見ていて面白かった上に遊んでも面白そうだと感じたのでせっかくだから遊んでみようということで買ったという感じです。

 

 

 では、ゲームの内容の話をしていくと、シリーズ伝統のシステムとしては広大な迷宮のようになっているフィールドを探索しながら、目的を達成して帰還するまでが一連の流れになっているゲームです。その道中には幾つもの行き止まりがあるのですが、手に入る様々な武器を駆使することでそれを開くことで徐々に行動範囲が広がっていくことも楽しみの1つです。また、装備自体がどんどん強力になっていき苦戦していた敵や地形を難なく乗り越えていけるようになるため、先に進むこと自体がすごく楽しいとも言えます。必須要素ではなくやりこみ要素としては、壊せる壁が隠されており、その奥には体力や球数の上限を増やすアイテムが置いてあるというお宝探し的な楽しみもあります。

 

 今作ならではの要素としてはフリーエイムとメレーカウンター、エイオンアビリティがあります。フリーエイムとは今まで十字ボタンで操作していた関係上、8方向にしか狙いを定められなかった射撃を足を止める代わりに360度の射撃が可能になるという新システムです。これによって高低差のある戦闘でも快適に攻撃することができます。また、序盤ではそこまで恩恵を感じることはないのですが、ゲームが進んでいってビームが強力になっていくとかなりありがたく感じるというのもこのゲームならではかなと思います。

 次にメレーカウンター。これは敵の突進攻撃を腕で薙ぎ払うことでひるませることができるという防御要素です。これまでのシリーズではこうした防御という概念はあまりなく、基本的に敵の攻撃に対しては避けるというのがセオリーでした。しかし、今作は敵の攻撃を防ぐことでスキを与え、ダメージを与えるチャンスに転じるという新しい要素が追加されました。もちろん、これが失敗した場合はこちらがダメージを受けてしまうので安全に回避をするか、攻撃のチャンスを取るかという選択が必要になります。これは攻撃されたときの自由度が広がる要素であり、シリーズの特徴が更に強調されたと思います。

 最後にエイオンアビリティ。こちらはエイオンと呼ばれるリソースを消費することで利用できる特殊能力になります。使用できるのは4種類で周囲の壊せる壁や地形を可視化してくれる「スキャンパルス」、ダメージをエイオンが肩代わりしてくれるようになるとともにメレーカウンターの性能を上昇させる「ライトニングアーマー」、ビーム攻撃を高速連写するようになる「ビームバースト」、周囲の時間を遅くさせる「フェイズドリフト」です。これらはどれも様々な場面で活躍する非常に高性能な能力になっています。しかし、どれも消費は激しく多用はできないため使い所を見極めなければなりませんので過度な信用は禁物。

 

 内容としてはこんな感じ。で、遊んでみた感想としては凄く面白かったです!フィールドをくまなく走り回ることになるジャンルになりますが、初期の状態でもストレス無く動き回れる上にそこからさらに新たな装備が増えることで移動の自由度が増えるので楽しくて仕方がないです。そこに関連した話になると自分が思っていた以上にサムスが強いと感じました。最初こそフリーエイムがあるとは言え、敵の種類が多いこともあり、立ち回りを工夫して戦わないと痛手を負ってしまうのですが、装備が揃ってくるとしゃがまなくてよくなるわ障害物は貫通するわでやりたい放題になり、そうなるとビームを乱射してひゃっはーするだけになります。常時これだとまた話が違ってきますが、終盤の終盤になるとこうなりますので今まで苦戦を強いられてきた敵を一方的に溶かす快感はたまりませんね。

 あと、今回の目的は数十体のメトロイドを殲滅することであるため、ゲーム内でも何度もメトロイドと戦うことになります。ゲームが進むごとに5形態ぐらい進化を重ね、それぞれと戦います。これだけ聞くとマンネリを心配する方もいると思いますが、これが地形の変化や相手も細かく属性を持っていたりして立ち回りが毎回異なるので全く飽きずに戦うことができました。ココらへんの工夫の上手さはさすが任天堂だなと思いました。また、パターンがわからない間は時間をかけて倒すことになるのですが、慣れると相手の弱点を的確に狙い素早く倒すこともできるようになるので腕の上達を感じられる機会でもあります。

 

 一応気になった部分としてはメレーカウンターを使う機会として敵が突進してくることが多いのですが、そのタイミングというのがこちらを視認してからすぐさま突進してくるため油断しているとかなり当たりやすい作りになっています。これが若干無理矢理すぎるように感じました。また、突進の前兆として音とエフェクトで見やすくはなっているのですが、この前兆から攻撃の開始までのタイミングが敵の種類によって若干違っているのでタイミングの取りづらさがさらに攻撃の当たりやすさにつながっていると思います。メレーカウンター自体はゲームの要になっていて成功することが凄く楽しいのも事実なのでもう少し丁寧に調整してほしかったなという感じです。

 あとは操作に慣れが必要かなと感じました。例えばビームの種類の切り替えやミサイルの種類の切り替えとモーフボールへの変形がタッチパネルに割り振られているのですが、右手で快適にタッチできる範囲である右半分がビームやミサイルに割り振られているためどうしても変形が難しいと思いました。一応、変形はしゃがみ状態から更にパッドを下に操作するとモーフボールになるのですが、これだと動けない時間が多くなってしまうのでリスクが高いのであまり使いたくはないという感じです。

 あとはフリーエイムがLでミサイルを構えるのがRで少し間違えやすいかなと思いました。ここを間違えるとミサイル打とうとしてるのに身動きが取れなくなったりするのでなれない間は事故りやすいと思います。

 

 

 感想は以上ですかね。こういったジャンル未経験の人でも十分に楽しめる骨太なゲームだと思います。難易度は若干高いですが、手軽に遊べてリプレイもお手軽なのでそこまで大変なゲームではないと思います。興味があるかたは是非。